コアナノテクノロジー
…先週とタイトルが同じように見えますが実は一文字増えました。
冗談はさておいて、ナノテクノロジー、何も微細な物質をつくったり
することだけが能ではないわけで。
特に物質に小さな穴を開けることで(その方法はいろいろあるけれど)
選択的に物質を透過させたり、量子力学的な影響を引き起こして
物性を変えたりなどなど。
今日になって知りましたが、次世代シーケンサーといわれる
DNAをものすごく高速に読む技術の中に「ナノポア」といわれる
技術があるんだなぁと。
(DNAを一塩基ずつ顕微鏡で読む技術は知ってましたが)
このナノポアDNAシーケンシング、DNAよりも少しだけ大きな分子穴に
DNAを通過させると、DNAの各塩基がそれぞれ違った電気的な性質を
持っているために、それぞれの違いを電気的に測定できるのでは
ないかという研究です。
ハーバード大学ではさらにDNAはおろか各種RNAなどにも応用を
していこうとしている模様です。
また、以前紹介したフォトニッククリスタルや光蓄積技術にも
非常に微細な穴からなる結晶格子が有効に作用しています。
そうそう、導電性プラスチックが電気を通すのも物質内の
「ギャップ」によるもので、これもある意味穴ですし、半導体も
非常に微細な穴によって構成されています。
電気工学系ではすでに微細な穴が有効活用されまくっています。
超小型HDDやリチウムイオン電池の高集積化などにも、ナノサイズの
穴の存在が重要な存在になりそうです。
特にリチウムイオン電池では現行のものの5倍の集積度にもなるかも
ということで、これが実用化できたら電気自動車の実用化も一気に
現実のものになるのかもしれません。
…すごい…五倍以上のエネルギーゲインがある…
ナノサイズになれば、穴だって存外捨てたもんじゃないどころか
きわめて重要なんだと。
…ドーナツの穴も火を通しやすくするためらしいし、穴っていうのも
捨てたもんじゃないのかな。